事例・実績
靴小売市場のEC化を加速!コストを抑えた効率的なシステム開発で、返品率を低減し、CVRを向上。おすすめサイズを提案するSaaSで利益率アップを実現。
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Q’sfixは、AWS構築において豊富な経験を持っています。
これまでに手掛けたシステム開発の事例や実績をご紹介いたします。
お客様について
ニューワールドカンパニー社は、付け替えヒール靴のブランド「FAMZON」の運営をしています。靴購入体験に革命を起こすべく、オンライン上で2017年より国立情報学研究所とオンラインフィッティングサービス「SureFIT」の共同研究をスタート。現在ではECサイトで、お客様の足や靴の情報を登録することでおすすめのサイズを提案してくれるSaaSへと成長し、運営を行っています。
お客様の声
・「FAMZON」の運営を行っていく中で、コストの嵩む店頭ではなくECでの販売にシフトしていくことを考えていましたが、ターゲット市場である靴小売市場は他の市場に比べEC化率が低いということもあり、ECへの集客に力を入れても高い返品率や低いCVRにより利益率をあげることに苦戦を続けている状況でした。
・オンライン上で購入しサイズがまったく合わないという失敗体験や、実際に履かないと適切なサイズが判断できないといった不安要素が、靴小売市場のEC化率の成長を鈍化させていると仮説を立てていました。仮説を基に大規模なシステム開発を行うのは、スタートアップ企業であったニューワールドカンパニー社にはリスクが高すぎたため、できるだけコストを抑えて効率的にシステム開発を行っていきたいという要望がありました。
なぜAWSパートナーを選んだのか &なぜAWSなのか
・金融機関を中心に大規模なシステム開発の実績があり、柔軟な開発体制にも対応可能ということで2019年より弊社がシステム開発支援という形で「SureFIT」の共同開発に参画しました。
・参画後すぐにどのような戦略で開発を行っていくか両社で擦り合わせを行い、サービスローンチまでの具体的な開発計画を立てることとなりました。
・開発手法はニューワールドカンパニー社の要望に沿っているMVP(Minimum Viable Product)開発が適していると判断し、システム構成はインフラコストを大幅に抑えられるサーバーレスアーキテクチャを採用することにしました。サーバーについては元々、実例数の多さからAWSが第一候補として上がっていましたが、従量課金制のAWS Lambda、Amazon DynamoDBなどが利用者数が少ない間は運用コストを気にせず、アプリケーションの開発に集中できるということが大きな決め手となりました。
パートナー・ソリューション
・開発を始めるにあたり、まずは、需要や課題解決手段の仮説、実現可能性を検証するためPoCを用意することにしました。検証段階での利用者数はそこまで多くないと予測できたため、必要最低限のシンプルなシステム構成にしました。
アプリケーション資産は、S3(Amazon Simple Storage Service)に格納しREST APIはAWS LambdaとAmazon API Gatewayで構成。独自ドメインでのアクセスとするためにCloudFrontのオリジンにS3とAmazon API Gatewayを設定、商品や足の情報などはDynamoDBで管理することにしました。
また、サーバーレス構成の場合、インフラ工数が大幅に軽減できる変わりにAWS Lambdaのコールドスタート対策が必要となる為、レスポンススピードが求められるAPIについては、定期的に実行を行い、コールドタイムが発生しないよう簡単な対策をとりました。
検証段階を終えて利用者数や扱うデータが増えると、DynamoDBだけでは運用しづらいデータが出てくる為、その様なデータはAmazon RDSへ移行、会員機能を追加となれば認証やユーザーデータ管理など、セキュアな部分をフルマネージドで対応してくれるCognitoを導入するなどして、状況に合わせAWS内のサービスを変更、または追加し、システム構成を状況に合わせて最適化していきました。
成果と今後
・必要最低限の小さなAWS構成でPoC(Proof of Concept)から始まったプロジェクトも、2020年にオンラインフィッティングサービス「SureFIT」としてSaaSの運営を開始するまでに成長を遂げることできました。
今では多くのAWSサービスを組み合わせた構成となり、着実にシステムも成長しています。利用者数はまだまだ増えることが予想されシステム構成の更なる見直しが必要になると思われます。
プロジェクトの最初の頃に描いていた形とは違う形に成長した部分もあります。それはPoCやMVP開発などを行い、顧客の声をキャッチしながら開発できる環境でなかったらそうはならなかったでしょう。少なくとも本プロジェクトでは、ミニマムに開発を始めて少しずつサービスを成長させていく手法がうまく噛み合っていたと思います。